HANASU調声法 -連続音編-

さてここからは、連続音の調声方法です。
実は単独音の方法をカスタマイズしたようなものなのでそんなに難しくなかったりします。

Step1 セリフの流し込み
これは単独音の時と同じなので、そちらを御覧ください。

Step2 下ごしらえ

まず連続音を使うために、ノートの表示を変えていきます。(ノートを[Shift+右クリック])しかしこれを全て一個一個選ぶのは面倒です。
ここではプラグインの「歌詞を連続音にする」を使って、全て一括で変更します。

その後、連続音で歌わせる時同様に、音源の最適化を行います。
全部選択後(ショートカット[Ctrl+A])、
①右上の「パラメータ自動調整を適用」を押した後、
②「クロスフェードのエンベロープをp2とp3で設定のボタン」を押し、
③再生
④右上の「クロスフェード最適化」ボタン
⑤「適用範囲のキャッシュを削除しますか?」で[はい(Y)]→再生(③に戻る)
を行い、「対象なし/最適化済み/キャッシュがありません」の表示が出るまで繰り返します。

さて、ここまでで下準備は完了です。

Step3 イントネーションをつける
これは単独音の時と同じなので、そちらを御覧ください。

Step4 発音の編集、タイミングの編集

さて連続音でも無声化の処理を行いたいところなのですが、単独音のようにそれぞれの子音を抜き出すのはちょーっと面倒です。そこでどうするかというと、
「発音のタイミングをずらし、母音の部分を後ろの音に被せて、母音弱化っぽくする」
ことで、無声音っぽく聞かせます。

具体的には、無声音にしたい音を64分音符だけ短くして、プロパティの先行発音を20ミリ秒くらい小さくします。
先行発音は、調整する数値でその音を発声するタイミングを、大きくなるほど早く、小さくなるほど遅くなります。
\正直この数値の変更はテキトーだよ!!/

「大好き」というセリフの「す」を無声音化してみます。


ノートの長さ120、先行発音83.166だったのを、ノートの長さ90、先行発音を63.166に変更すると

図のように、「す」の母音が前と比べると小さくなったように聞こえます。

このタイミングの調声方法は、連続音の母音に繋がる音などでも同じように使えるので、一つずつ調整します。
先行発音を、「カ行」「タ行」は小さくしたり、「マ行」「ラ行」は大きくすることで、微妙な音の食いや間延びした感じを作ることができます。これは何度も再生しながら自分の耳を頼りに数値を増減させています…。


ただ、文末に来る無声音(ex:「~です」の「す」)はこの方法だと少し違和感があります。
なのでこれに限っては無声音用の原音設定を作ります。
例文の「す」では、「e す」を弄ります。


違和感のあるところはこれらをさまざま使いながら、調声していきます。
最終的には、自分の耳で聞いて違和感がないイントネーションになれば完成です。